事業背景:フィリピンが直面する深刻な廃棄物問題

フィリピンでは、経済成長に伴う廃棄物排出量の急増に処理体制の整備が追いついておらず、都市部・農村部双方で深刻な社会問題となっています。

都市部の課題:

  • 処理能力の不足: 既存の処理施設だけでは、増え続ける廃棄物に対応しきれていません。
  • 埋立地の逼迫: 政府計画で1,700ヶ所必要とされる埋立地が、実際に整備されているのはわずか108ヶ所と、最終処分場が圧倒的に不足しています。
  • 違法投棄の深刻化: 行き場を失った廃棄物が不法に投棄され、環境汚染や健康被害を引き起こしています。

農村部の課題:

  • 収集率の低さ: 廃棄物の収集インフラが未整備のため、多くのごみが回収されていません。
  • プラスチックごみの海洋流出: 年間28万〜75万トンものプラスチックが海へ流出し、世界的に見ても深刻な海洋汚染の原因となっています。

これらの課題に対し、フィリピン政府は「拡大生産者責任(EPR)法」や「固形廃棄物管理法(RA9003)」を制定するなど対策を進めていますが、抜本的な解決には至っていないのが現状です。

フィリピンの廃棄物問題に、日本の技術で挑む。

HFPは、経済成長に伴い深刻化するフィリピンの廃棄物問題に対し、日本の先進的な環境技術を用いて解決策を提供する事業を展開しています 。私たちは、単に廃棄物を処理するだけでなく、それを価値ある資源へと転換させる「循環型ビジネス」を構築し、持続可能な社会の実現を目指します


中核事業:スービック産業廃棄物資源化プロジェクト

私たちの最初の、そして中核となる事業拠点が、フィリピンのスービック湾フリーポートに建設される産業廃棄物熱分解処理施設です

  • 事業主体: 日本法人HFP (2026年初頭に現地法人HFPフィリピンを設立予定 )
  • 処理技術: 最新の無酸素熱分解技術「Urban-RIG 2000」シリーズを採用
  • 処理能力: 混合可燃性産業廃棄物を最大で日量200トン処理可能
  • 建設候補地: スービック湾のレドンド半島が最有力候補地です 。

この施設は、地域の廃棄物処理需要に応えるだけでなく、環境負荷の低いクリーンな処理を実現するモデルケースとなります

私たちのサービス

1. 廃棄物処理サービス(ティッピングフィー) 工場などから排出される産業廃棄物を、処理量(トン)に応じた料金(ティッピングフィー)で受け入れ、適正に処理します 。法令を遵守し、安全な処分先を求める企業のニーズに応えます

2. 再資源化物の販売 熱分解プロセスから生成される再生油や炭化物を、希望する企業へ販売します 。特に再生油は、産業用ボイラーの燃料などとして高い需要が見込まれます

主な処理対象物

当施設では、以下のような多種多様な混合廃棄物を、事前の細かな分別なしで処理することが可能です

  • 廃プラスチック類: 包装材、使用済み部品など
  • 紙くず・木くず: 段ボール、梱包材、建設廃材など
  • 繊維くず・ゴムくず: 古布、廃タイヤなど
  • 有機汚泥: 工場の食品残渣など
  • 混合ごみ: 事業所から出る一般ごみ(可燃物)

将来の事業展開:フィリピン国内からASEANへ

私たちはスービックでの成功をモデルケースとし、2030年のIPO(新規株式公開)を見据えた中長期的な事業拡張戦略を描いています

Phase 1: フィリピン国内での基盤確立 (2025〜2028年)

スービックの成功モデルを基点に、クラーク、マニラ南部、セブなどフィリピン国内の主要都市へ、年1〜2拠点のペースで施設を展開します。2028年までに国内における廃棄物資源化のリーディングネットワークを構築し、確固たる事業基盤を築きます。

Phase 2: ASEAN地域への戦略的展開 (2028年以降)

フィリピンでの実績と標準化された事業パッケージを元に、最優先市場と位置づけるインドネシア(新首都ヌサンタラ等)への進出を開始します。その後、ベトナム、タイ、マレーシアへと展開を拡大し、ASEAN全域が抱える廃棄物問題の解決に貢献します。

Phase 3: 新規株式公開(IPO)による成長加速 (2030年)

2030年に新規株式公開(IPO)を達成することを明確な目標とします。上場先としてシンガポール証券取引所(SGX)または東京証券取引所グロース市場を視野に入れ、調達資金を元にASEAN全域への事業展開をさらに加速させ、企業価値の最大化を目指します。